2015年05月31日

企業はなぜ銀行の融資が必要なのかA

前回の記事では、
企業は必ず構造的に運転資金が必要となると書きました。

今回はもう少しだけ詳しく書いてみました。
銀行が企業に対して融資する資金は大きく分けると3種類に分かれます。

@設備・買収資金
これはわかりやすいです。
企業が大規模な設備投資を行う際に、自己資金では賄いきれないので、銀行から融資を受けるときの資金です。
上場企業であっても、まとまった資金が必要な時には銀行の融資に頼ることになります。
長期間での借入が可能となる一方、資金の使途が限定されるので使い勝手はそこまでよくありません。

A赤字補填資金
読んで字の如く、企業の赤字を補填する名目の資金です。
最近ではシャープもこの手の融資を受けていますね。
赤字の会社は今後の業況にも不安があるため、基本的には消極姿勢です。
銀行の融資審査は厳しいですし、当然金利は高くなります。

B経常運転資金
世の中の大半の企業、特に中小企業はこの資金が無ければすぐに資金繰が厳しくなります。
運転資金は基本的に資金使途を定めません。
期間も3年〜5年が標準的で、金利もそこまで高くはないので、
大企業を除けば世の中の99%の企業はこの資金を利用しているのではないでしょうか。

実際にはもっと細かく分ける必要がありますが、
一般的にはここまで知っていれば十分です。

このような資金を銀行は融資することで、銀行収益の大半を占める金利収入を得ています。
しかし、新聞にも書かれていますが、銀行同士の金利競争が一層激しさを増しており、
金利収入は減少傾向。

金利収入を確実に得ながら、
その他の手数料収入も効率よく稼いでいる企業が今後も生き残っていく銀行になるのだと思います。
posted by 現役銀行員 銀次 at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

企業はなぜ銀行の融資が必要なのか@

よく学生から受ける質問の中で、
「そもそも、なぜ企業は銀行からお金借りないといけないのか」と聞かれる事があります。

答えは簡単です。
「銀行からお金を借りないと資金が回らない仕組みになっているから」です。

一般的な製造業を想定してみてください。
ある商品を作ろうとする時、まず原材料を仕入れます。
(この時、支払債務(買掛金、支払手形)が発生します。)

次に原材料を加工して、商品にします。
そして、出来上がった商品を持って営業活動を行い、商品が売れるとします。
(この際、受取債権(売掛金、受取手形)が発生します。)

企業はこのプロセスを絶え間なく繰り返すことで成り立っています。
そして、資金が必要となる理由がここに凝縮されています

「受取債権+滞留在庫ー支払債務」の式で表すのですが、
これは運転資金必要額を求めるためのものです。

どこの上場企業の決算書を見てもいいですが、
一度この式を当てはめて下さい。

必ず0以上の数字になるはずです。
※ここがプラスになるのは、飲食業などの一部サービス業だけです。

この資金を自己資金で賄えればいいのですが、
世の中の大半の中小企業はそれが出来ません。

だからこそ資金が必要となるのであり、
多くの銀行が乱立し、不毛な金利競争を日々強いられている理由でもあるのですが。

長くなったので、
資金の種類については次回書くことにします。
posted by 現役銀行員 銀次 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【小ネタ】銀行員の平均年収は本当に高いのか?

銀行の平均年収についてまとめてみました。
以下がエクセルシートで作った主要銀行の平均年収リストです。
比較のため、政府系金融機関の年収も載せてみました。

スクリーンショット 2015-05-31 20.57.13.png

すぐ平均年収に目が行きますが、
このような資料を見る上で注目すべきは従業員数と平均年齢です。

これらの企業では新卒一括採用で大半の人員を採用しますから、
平均年齢=22.5歳+平均勤続年数あたりになるのが一般的です。

その点から考えれば、三井住友銀行と三井住友信託銀行は平均年収こそ高いですが、
従業員数が少なく、しかも平均年齢が低いということが分かると思います。

銀行業界で平均年齢が低いのは、それだけ離職者数が多いのと、関連会社等への出向が早いということです。
平均年収が高くても、平均年齢が低ければ、生涯年収も低くなるので、
トータルで考えればあまり差が無いのではないでしょうか。

また、銀行全体に言えることですが、平均年齢が低いことが特徴的です。
公務員は離職率が極端に低く、人員構成も一般企業より年代による差が無いので、
42〜44歳が平均年齢になります。
その点、主要銀行の平均年齢は36歳〜40.8歳と、平均には及びません。

銀行業界は、給料だけは高いと言われますが、
生涯年収にすれば他の業界に比べれば全然高くないと思います。

給料が高いことを銀行の志望理由に挙げる人がたまにいますが、
とんでもない間違いです。

知らぬが仏ということもありますが、
一度しか無い新卒切符で就活をするのであれば、本当の話を知った上で検討するのも悪くないのでしょうか。
posted by 現役銀行員 銀次 at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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